◆ UE4のミニマム英語

アンリアル・エンジン 4 には、日本語に訳さず英単語のまま (カタカナのまま) 使われている用語がいくつかあります。このこと自体は、他のソフトウェアでも同じです (大体、「ソフトウェア」という語もあえて純正な日本語には普通直しませんよね) 。

ここでは、そのような英単語のうち是非とも知っておくべきものを集めて、勉強の足掛かりにしたいと思います。

レベルは入門レベルなので、コンピュータ一般、ソフトウェア一般にも関係する単語が含まれています。なるべく具体例を出しながら紹介することによって、UE4を学ぶ際にドキュメントやブループリントのノードの説明、AnswerHub (日本語セクション) などを読みやすくしたり、エディタを使いやすくしたいと思います。 (できれば英語そのものに親しんでもらえれば、などとも考えています。)


actor (アクタ)

レベル (マップ) に配置されるものです。たとえばゲームでプレイヤーが操作するキャラクターはアクタです。ライトもアクタです。プレイヤーには見えないトリガーボックスなどもアクタです。

Blueprint (ブループリント)

UE4で
AnswerHubなどではBPなどと略されることも多いようです。また、その応用としてABP (アニメーションブループリント) などもあります。

なお、「ブループリント」という用語は複数の意味があります。「UE4にはブループリントがあるからゲーム作成初心者でも入っていきやすい」などと言う場合は、ノードやワイヤを使って処理を組み立てていく仕組みのことを言っています。また、「このキューブをブループリントにしてレベルに配置する」などと言う場合は、キューブをブループリントのファイルにすることによって機能などをもたせてレベルに配置するということを意味しています。つまり、この場合の「ブループリント」とはファイルそのものです。

.cpp

ファイルにこの拡張子 (ファイルの最後に付いてコンピュータにどのようなソフトウェアを起動したらよいか教えることができる一連のアルファベットで、.txtなども拡張子) がついていたら、これはブループリントではなく、C++ というコンピュータ言語で書かれているファイル (ソースコードのファイル)です。UE4に独特のものではなく、UE4以外のプログラムでも広く使われています。

UE4では、この.cppとブループリントの両方が使われています。ブループリントでどうしてもカスタマイズできないことは直接このcppファイルを改変することになりますが、ブループリントだけでも極めてハイレベルなゲームは作成できることは申し添えておきます。

なお、ブループリントの元になっているのが、cppです。言い換えれば、cppを図や線を使って分かりやすくしたものがブループリントです。さらに、言い換えれば、若干苦い目の薬 (cpp)の表面を甘いもので覆ったものがブループリントです。ですから、ブループリントのノードはすべてcppで示すことができます。(ついでながら、cppも機械語のシュガーコーティングではありますが。)

delete (デリート)

削除するという意味です。これは誰もが知っているとは思いますが、結構重大なことに結びつきやすい操作なので念のために掲載しました。キーボードのDelキーもDeleteを短くしたものです。

event (イベント)

非常に重要な概念です。簡単に言えば、ゲームは何らかのイベントによって進みます。

たとえば、「キャラクターがどこかのゾーンに足を踏み入れた」というイベントが起きた時には、何らかのことが起きるようにします。たとえば、「キャラクターのHP値が+10する」とかです。ブループリントでは、イベントノードの後ろに「何らかのことが起きる」ようにするためのノードをくっつけていきます。

特にカスタムのイベントは、呼び出されるという点では関数と似ていますが、本質的には異なるものです。「イベントは返り値を返さない」などの違いがあります。詳しくは、「第17回 カスタムイベントを作ってみよう」のカスタムイベントと関数の違いをご覧ください。

FPS

まったく異なる意味が2つあります。
first person shooter の略
一人称視点 (プレイヤー視点) のシューティング ゲームのことです。三人称視点は、サードパーソン・シューティング (TPS) です。FPSはキャラクターの顔が表示されず、没入感が高まるという意見もあれば、TPSはキャラクターが見えるので思い入れが入りやすいという意見もあるようです。なお、first person shootingとも言います。

frames per rate の略
映画でもアニメーションでも、いろいろなものが動いて見えるのは目の錯覚です。正確には静止画 (コマ) を連続して表示しているにすぎません。つまり、パラパラ漫画の原理です。

この時、静止画をframeと言います。framesで複数形です。つまり複数のframeをパラパラするのですが、1秒間で何枚の静止画をパラパラするのかを表すのが、このfpsです。

英語的には、per X で「Xにつき」とか「1Xにつき」という割合を表します。たとえば、three times per month だったら、「月に3回」、four thousand yen per year だったら「年に4000円」です。

fpsは高いほど動きがなめらかになります。たとえば30fpsよりも60fps、60fpsよりも120fpsがなめらかになります。なお、fpsが高くなれば、それだけマシンに大きな負荷がかかることになります。

get

非常によく使われる英単語ですが、ブループリントで変数をグラフにドラッグすると、 get か set か尋ねられます。これは、「変数の値を取得するか」「変数に値をセット (設定) するか」を尋ねています。

ブループリントにかぎらず、プログラムでは一般に関数名 (の特に先頭) に get が付くと、それは get の後に続くものを取得する関数のはずです。たとえば、getRotation() という関数であれば Rotation (回転、角度) を取得する関数です。

hide

hideは「隠れる」とか「隠す」という意味ですが、エディタなどで出てくると「非表示にする」といった意味になることが多いです。「表示する」はdisplayやmake~visible、showなどがあります。

input

input 「インプット」はすでに日本語になっています。普通はコンピュータ (プログラム) にデータを供給 (入力) することです。「入力装置」という用語がありますが、これにはキーボードやマウス、タッチパネル (スマフォなどの画面) などがあります。つまり、これらの装置が行っていることが入力です。

ブループリントでは、「入力ピン」「出力ピン」というのがノードについています。これは、その前のノードから値を受け取ったり (入力ピン) 、その次のノードに値を渡したり (出力ピン) するピンです。

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