今回から 10 回、マテリアルについて勉強していきます。どうぞよろしくお願いいたします。
ビデオの内容紹介
マテリアルとはどのようなものか、基本的な考え方をやさしく教えてくれます。UE4 にグレードアップしてからマテリアルがどのような考え方に基づくようになったのか、という点についても触れています。
原題 Introduction to Materials in UE4 – 1 – Intro to Materials
☆マテリアルとは何か
いろいろな定義の仕方があるとチュートリアルは教えています。たとえば、
「ポリゴン表面に適用するシェーダーを定義する画像ファイルおよび計算命令の集まり」
などです。
しかし、チュートリアルの先生は、これは少し大げさすぎるとして、次のようなシンプルな定義を試みています。
「マテリアルとはペンキに似たようなもの」
これはどういう意味でしょうか?
☆マテリアルが決定するもの
UE4 のペンキ (=マテリアル) を使うと、ポリゴン表面とライトが互いに作用する仕方を決めることができます。具体的には、光沢、立体感 (突起物があるような感じ)、発光、透明などなどのあり方を決めることができるのです。
ですから「魔法のペンキ」とも表現しています。
☆UE4 マテリアルのコンセプト
マテリアルの作成の仕方は UE3 のマテリアルと同じような感じですが、コンセプトがかなり異なるということです。
そのコンセプトとは、マテリアルを現実世界の物理を踏まえる (物理ベース) ということです。具体的には現実に近いプロパティを使うということです。次のチュートリアルの画像内左上では、UE3 のプロパティに×が付けられて、新たに導入された UE4 のプロパティがいくつか紹介されています。
☆重要なプロパティの紹介
Base Color は、そのまま訳せば「基盤となる色」ですから、より現実的なプロパティと言えます。
また、UE4 では Metallic というプロパティもあります。現実世界ではある物が金属でできているかいないかのどちらかなので、このプロパティの値は 0 か 1 になります。(ただし、場合によってはこの間の値が必要となることもあります。金属にホコリがかかっている場合などに。)
Roughness というプロパティは、「(表面の)粗さ」です。このプロパティの値は 0 から 1.0 まで取ることができますが、通常は 0.1 から 0.9 くらいにすべきとのことです。
先の画像内右では、この Roughness についての原理的な説明がなされています。この値が小さいガラスは、表面が滑らかになり、像が反射しやすい物質です。反対に、チョークは小さな穴が無数に開いている状態で、光が乱反射するため像が観察者の方向になかなか飛んできません (反射が見えません)。まさに物理ベースです。
Emissive は発光のためのプロパティです。マテリアルの一部を光らせるためのものです。
Normals は、「法線」という意味ですが、法線マップによって擬似的に凹凸を表現するためのプロパティです。
☆カラーの機能
マテリアル内でカラーどのように機能するかについても説明しています。
通常、コンピュータで扱う画像は、多数のピクセルから構成されています。ピクセルは、小さな四角形です。
1 つのピクセル (上のチュートリアル画像では Pixel の横に描かれている四角いものです) は、R、G、B、A という色情報のチャンネルから構成されています。
R は red、G は green、B は blue です。これらが混ぜ合わされてさまざまな色が作られます。A は、alpha の略で、透明度を定義できます。0 が完全に透明な (Transparent) 状態の時のための値で、1 がその反対に完全に不透明 (Opaque) になります。
上の画像では赤を表現しようとしています。R が 1.0、G が 0.0、B も 0.0、A が 1.0 になっています。A が 0.0 になると完全に透明となり赤が見えなくなるので、1.0 としています。
次の例は、黄色です。
赤と緑が混ざると黄色になるのは、絵の具を使ったことがある人なら誰でも分かると思います。
このように値は通常 0 (0%) から 1.0 (100%) までの範囲で決められますが、例外もあります。それは Emissive のチャンネルです。
Emissive は、上の画像のように、例外的大きな値を取ることができます。たとえば、ブルーム効果 (非常に明るい物のまわりに光が漏れでているかのような現象。下の画像参照) をもたせる場合には、かなり大きな値に設定します。
今回は以上です。お疲れ様でした!