UE4 への移行日記 (10)

アンリアル日記 ― 第 10 日目 (2015/3/11)

UE4 4.7.2 (7 時間)

Google Docs による個人的なメモ

夢の中でブループリント、マテリアルを組んでいました。つまり上手く行っているということかな?

ライティング: 落とす影の強さによって物を判定できるという言われ方をします。まあ、だれかがそんなこと言うのを聞いたことはありませんので、妄想でしょうね。でも、このことは、僕が Unity のシーン内に初めてプリミティブを配置した時からずっと大切に考えていることなのです。

ええ、もちろん分かっていますとも。このことはゲームプレイには何の関係もありません (『Contrast』みたいなゲームではない限り)。しかし、美的感覚 (ビジュアルアートとデザインの基礎) をその出発点とする者にとっては、ビデオゲーム デベロッパーとして成し遂げることの多くは、美しいフレームを作成することだ、という信念を僕はもっています。

もちろん、美とは完全に主観的なものです。自分が美を定義するなら、「作ったものを見ることができる」となります。美的快感に訴えかけるようにするためには、ライトとシャドウがものすごく重大な役割を演じます。アンリアル・エンジン 4 では、エディタのウィンドウ内にあるプレビューが、超ハイクオリティの「見えるものが得られるもの」(WYSIWYG) を体現してくれます。これには思わず時々うっとりしてしまいます。

メモ: Unity でライトマップをベークするプロセスはかなり複雑です。少なくても、アンリアル・エンジン 4 のフラグ設定とライトのビルドよりも幾分複雑です。リアルにライティングされたシーンを構成するための UE4 のワークフローは、自然でほとんど自動的な手順で実現できるように思われます。

また、IES ライティング プロファイル (訳注: 照明器具メーカーなどが公開している照度データ) のサポートが、リアルなライトをシミュレートするのに大変役立ちます。プロファイルは照明器具メーカーからダウンロードできます (ほとんどの場合、無料です。ですから、自分で使いたいライトが分かっていれば、検索して情報を得ればよいのです)。そして、それをライトにドロップします。極めてリアルなライトをいとも簡単に実現できます。

ポストプロセス: Unity のポストプロセスの機能はまあまあでした。最終的にレンダリングされるゲームの質を高めるためには、たいていの場合、ポストプロセスが欠かせません。Unity では、最高のポストプロセスは、外部プラグインとして有料でした。アンリアルのポストプロセス ボリュームは、あらゆる機能が入った小さなボックスになっています。これでカメラを変更したいエリアをおおうことができます。魔法の風呂に入るような感じでしょうか。

Substance の Yebis ビューポートを使ったことがあれば、UE4 のポストプロセス ボリュームにはすぐ慣れます。すばらしい機能がそろっているので、肝となるコンテンツのドアを開くだけです。特に、トリガー ボリュームが秀逸です。多数のエフェクト用スクリプトをカメラにセットする必要はなく、ただトリガー ボリュームに入っていけばよいのですから (あるいは、ゲームの視点によっては、トリガー ボリュームをカメラにかぶせます)。

メモ: スクリーン空間の反射 (Screen Space Reflection) では、基本的に、そこそこのクオリティの反射をマテリアルで実現できるようになります。物理ベースのレンダリング ワークフローには非常に役に立ちます。僕にとっては最も感動的な機能です。

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パラメータを少しいじるだけで、不完全なシーンを傑作に仕立て上げる

Pivot Painter: 素晴らしくも、複雑で、低コストの各種アニメーション エフェクトを実現するためには、とてもクールなやり方に思えます。この機能は、メッシュの頂点にモデルの pivot (回転軸) 情報を保管する 3ds Max スクリプトを使用します。その情報は、アンリアルのマテリアル関数によって操作されることになります。カメラ/プレイヤーとともに動く有機体はよりリアルなフォーリッジをもたらします。このシステムを利用してできそうに思えることは、実際に可能なのです。どのようなことができるか動画をご覧ください。(そのゲームがどのようなものであっても提携しているわけではありません。たまたま検索していると見つけたものです。)

クロス (Cloth 布): 衣類やキャラクターの衣服のための物理が有効な布のことです。とても魅力的な機能です。ただし、このレベルを調べていて分かったことがあります。それは、深度レベルが 2個以上になると、外部のクロス メッシュと被破壊性メッシュは Nvidia の APEX PhysX Lab でしか作成できないということです。これらのツールは無料で取得および使用できますが (年間の粗利が 10万ドルを超えない場合)、Nvidia のデベロッパー プログラムに登録する必要があります。もちろん、僕は登録しました。衣服を必要としない人なんていないでしょ?メッシュで被破壊性のレベルを複数もてることは、僕のプロジェクト『Project Zero Nine』に役立ちます。ところで、先のプログラムは自動的に実行されているようでした。僕の承認はほとんど同時に実行されていました。

最近、UE4 について詳しくなればなるほど、こんな思いが強くなってきました。それは、このようなものを全部無料にするとはエピックは驚くほど気前がいいということをです。このことをどのように喩えたら良いでしょうか。今のところ次の喩えが一番いいと思います。あなたは貧乏な職工です (経済的に貧乏ですが、腕は悪くありません)。あなたは、親方が工房にもっている非常に高価で最先端の道具がほしくてたまりません。ところが、ある日のこと突然、親方があなたに工房の鍵をくれました。そればかりか、そこに入っている複雑な装置の使い方を丁寧に解説した書物も渡してくれました。これをもらわない人はよほど迂闊だと思うのです。

3月のアンリアル ゲーム ジャムのお知らせがありました。19日の午前11時開始され、22日の午後9時まで続きます (太平洋標準時)。その 19日の時点では、僕がアンリアル・エンジン 4 を使ってからまだ 17日しか経っていないことになりますが、試してみる分には問題ないでしょう。きっと楽しいでしょうし。それに、Ludum Dare でタフな経験をしたのも生きてくるでしょう。2010年に初めて参加した時 (48時間の悪夢でした) よりも遥かに快適なはずです。




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